係争心理学の在り方 ©

著作権 2014年 小池 勝

 

専門家の誤り

心理的不快感の増大が、限界を超えることで物理的な係争に発展します。

ここに国内法の範囲で留まれば【係争】と呼ばれ、国際問題になれば【戦争

と称する物理的な係争に発展するのです。

 

私には長年不思議に思える現象がありました。

約40年以前に成りますが、東京に八重洲ブックセンターなる書店が

生まれました。

当時,私は医療器のX線デジタル画像の普及を目指しており、

名古屋から東京に出る度、八重洲ブックセンターに立ち寄っていました。

当時は本を2万円以上買うと送料が

名古屋まででも無料でした。

探していた本は、心理学コーナーと法律の両コーナーで

心理学者が書いた法律分野の本と、法学者の書いた心理学分野の本でした。

 

そもそも争いの種は、小さな不快感にあり、その小さな係争の種が、どのよう

に育ち拡大してゆくのか、そのプロセスが一番私の関心の的だったのです。

 

本来、街の不動産仲介業者に過ぎない私は、不動産の境界争いや相続係争が

新鮮で、【紛争の種】の分析を歴史の本の中で探していました。

すると今でもマスコミの報道は【現象】を伝えることばかりで、その現象の【原因

については何も教えてくれません。

 

そこで紛争の種がどの様に育ち、どのように発展し、最後にはどの様にして戦争にまで

至るのか、その原因と過程を考えてみますと、

その原因は、先ず不快感の言語表現に始まります。

 

表現は、言葉か、行動かは別にして、国境侵犯とか言語による攻撃とか、具体的なものです。

時間的にゆっくりしたものは、政治家の演説であったり、学者の私的意見であったりします。

 

一つの国家内部での係争には、法律と言う歯止めの構造体が存在しますが、

国際間の感情的意思表示には、政治家の地位と利益とが絡んでおり、自己の

地位保全が隠された目的の場合、憎悪感情の扇動と言うたちの悪い細菌に汚染されています。

 

低開発国や民度の低い国の政治家たちは、自らの地位保全の為には、国民の利益や

国家の将来性などを考慮することなく【憎悪の芽】を育ててゆきます。

 

人間や人が構成する国家にはそれぞれ国民感情があり、不快感がリミッター(制限装置)から

溢れたとき、我慢の限界が切れた、と言う状態になります。

したがって言葉による攻撃は、相手の心に弾丸を打ち込むのと同じ効果を生じさせます。

 

現代の社会でも、争いの好きな低レベルの政治家たちは、数十 年以前の習慣を、いまだに用い、

他国の人達や政治姿勢を言葉で攻撃する幼稚な遊びを行っています。